Band

1st.Album「Affternoon Tea」

1.Affternoon Tea(5:09)
2.Komorebi[木漏れ陽](3:38)
3.Soft breeze(4.31)
4.Kamakura(4:39)
5.I never say Good-bye[solo](2:13)

北のジャズランド

2005/10/15 盛岡・開運橋のジョニー店主 照井 顕

北島さんが「開運橋のジョニー」でピアノを弾くようになったのは2004年1月からである。TVの取材が店に入るというので、サックスの片岡さんを通じて、演奏をお願いしたのが始まりだった。以来2年間、毎月第2土曜の夜は北島TRIOの演奏日と決めて、きっちり3ステージの演奏を続けている。以前はサックス、現在はヴォーカルを加えたTRIO+1で、最近はファンもだいぶ増えてきた。

いつぞや彼がTRIOのサウンドが、だいぶまとまってきたので、そろそろCDを作りたいといっていたが、ついに出来上がった。自宅で自分のピアノを弾いて録音したというこのCD、ライブで聴くときの演奏より、いくぶん冷静な3人の音が収められていて上出来です。

このTRIOの演奏を聴くと、店の近くを流れる北上川の水音を思い出す。橋を渡る沢山の人々の靴音を思い出す。河川敷の緑と樹木と花々と、それから美しい岩手山を思い出す。夕刻のビル群の窓々の灯りを思い出す。鉄橋を渡る電車の車窓の灯りとともに銀河鉄道の物語を思い出す。朝の珈琲・午後の紅茶・夜のウヰスキーを思い出す。そして、どういう訳か昔聴いた藤井貞泰の初リーダー作「プレリュード・トゥ・ア・キッス」の音を思い出す。

どの曲どの演奏を聴いても日本的な香りがして、思わず口ずさんでみたくなる北島さんのオリジナル曲で頭に浮かんだ言葉がある。東北出身の大作曲家、渡辺浦人氏の「芸術は民族の原始性から出発することによって世界化する」である。そういえば、ある日友人達と連れ立って2度目のジョニーに現れた、ジャズ界のチョー!有名人、寺島靖國氏(吉祥寺メグのオーナーでジャズ評論家)が、たまたま居合わせた北島さんのピアノソロを聴いて「これだよ、こういうピアノがいいんだよ」とカンゲキして帰って行った夜のことを思い出す。

関西での10年、岩手に帰ってきてからの10年。ピアノに託してきた彼の想いがたった5曲の中にぎっしりと詰まっているような気がしてなりません。先ずはおめでとう。

曲作りとタイトルについて

2005/09/23  北島 貞紀

どんな時に作曲をするのかというと、曲を作りたいと思った時としか答えられない。冗談のようだがこれが本当のところだ。どんな時にそう思うかというと、これはいくつかのパターンがある。

ひとつめは、何らかの衝動(感動)があって、そのことを音楽で表現したいと思ったときである。これはきわめて自然な行為で、絵心が有る人なら絵画になるし、詩や俳句やあらゆる創作の原点だろう。

ふたつ目は、形而上学的というか純粋に音楽上の取り組みから生まれてくるもの。こう書くと何か面倒くさそうだがワルツの曲を作ってみようとか、変わったコード進行の曲を作ろうとかロックに挑戦とかいうことだ。

三番目は、何かキーワードがあって、そのイメージを増幅して曲を作ってゆく方法である。こういう場合は、先にタイトルが決まる。今回のアルバムのタイトル曲、「Afternoon Tea」は、このパターンで作られた。

Afternoon Tea ・・米ではなく西欧、静けさの中の倦怠と緊張、そんな「シズル感」を表現したつもりだ。

ついでに他の曲について触れると、「komorebi(木漏れ陽)」「kamakura」は第1パターンである。Kamakuraは、夏の終わりの湘南海岸(由比ガ浜)をイメージしたものだが、タイトルとして「由比ガ浜」ではなんとなくしっくりこないので「kamakura」とした。

「Soft Breeze」は、第2パターンである。明るく軽快でさわやかなものを作りたいと思って出来た曲で、こんなタイトルをつけてみた。最後の「I never say Good-bye」は、1と3が合体したもの。

一応の作者のこだわりや創作意図を書いたが、実際に聞かれた方がどう感じるかは、あずかり知らぬところである。

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